BRM921近畿600km神戸 Granfondo.Stage.4 兵庫山脈縦走 実走中編 (グランフォンド600kmブルベ)
こんにちは
さとるです!
今回はBRM921近畿600km神戸 Granfondo.Stage.4 兵庫山脈縦走 実走中編について書いていきますよ!
前回の記事はこちらから!
今回の流れは以下の形で
① 第二の関門 VS蘇武岳 前半
② 第二の関門 VS蘇武岳 後半
それでは行きます!
① 第二の関門 VS蘇武岳 前半
ファミリーマートでの休憩もそこそこに11時50分に第二関門に向けて出発
蘓武岳は今回でも最高峰の山岳で標高980mまで登る
しかも、1級,3級の山岳が連なる山で精神的にも足的にも削られる。その上、山頂付近の悪路は今大会でも最も凶悪らしい…
だが、理解していても行くしかない!
すぐに登りだと身構えていたが、嵐の前の静けさのような緩やかな登りの平和な道が続く
そして、雰囲気作りのためかちらつく雨
今は路面がぬれるほどにはないにせよ、先の道が濡れている可能性は高まった
そして、30分ほどで蘓武岳の入り口が姿を現した
「登るためにパワーを上げる」
「体力温存のために心拍は上げない」
両方やらなくちゃいけないのがブルベの辛いところだな…
覚悟はいいか?オレはできてる!!
ブチャラティーーーはやはりかっこいい笑
(なお覚悟はしてても、両立はできていない模様w)
大きな雲をしり目に淡々と登る
道は荒れているが、路面は雪彦山の上の方に比べればまだ問題ない
しかし、
獲得標高800m
距離10km
の登りは疲弊した足にとどめをさすには十分すぎた
だが、この絶望的な状況にもUGさんには秘策が
それは…
梨子ちゃんとルビィちゃんのソロアルバム!!
幸いここにはラブライバーが二人だけ…
大自然の中で曲に集中できる!
(ちなみに雪彦山では梨子ちゃんを聞かせてもらったので、こちらではルビィちゃんをチョイス)
これで距離や時間のことは、一旦忘れられる
あとは足の疲労した足でいかにして登りをこなしていくかだ
こればっかりは登りながら模索するしかない!
どんな姿勢でどの筋肉で登るのかに思考を切り替える!
UGさんは普段からやっていることらしく、いろいろ試せることに面白さを見出していた笑
お互いに試行錯誤しながら、登りを登っていたが
ここにきてまた一段斜度が上がる区間に差し掛かった…
休むダンシングでも踏み込まなければ進めない
耐えるしかない…と思っていた矢先…
あの曲が流れてきた…!
ヨッシャヨッシャワッショイ୧( ˵ ° ~ ° ˵ )୨
ヨッシャヨッシャワッショイ୧( ˵ ° ~ ° ˵ )୨
ダイスキーダケノオマツリハジマッタ╰(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)
コットンキャンディえいえいおーだアアア!!
このブルベが開始してから一番つらい区間で
この曲とは選曲が神すぎる!?
UGさんも自分も意気消沈していたところが
一気に息を吹き返す!!
そして、曲のサビに合わせてUGさんがダンシングし始めた!笑
さっきまでの様子が嘘のようにめちゃくちゃ速い!!
自分も必死で食らいつく!
不思議なリズムは背中を押してくれる!!
小野田くんの気持ちが少しわかった気がする笑
そして、曲が終わる頃にはキツイ区間は終わっていた
おそるべし…コットンキャンディ…
蘓武岳もコットンキャンディにして食べちゃおう!!
(ルビィちゃんの曲なのに思考回路が魔人ブウになってしまった)
景色もよくなってきて多少は元気を回復
そして、そこからさらに2kmほど登ると…
道は途切れていた…笑
② 第二の関門 VS蘇武岳 後半
ガーミンのルートはあっている…
だったら答えは
進むしかない!
その前にしばしの休憩
補給を食べつつ、足をほぐす
足の指に力が入ってしまっていたのか痺れている
足をごまかすのもしんどいほど削られた
この後の登りでは少しでも力の入れ方を間違えば、
足を痛めてしまいそうだ
休んだところで恐る恐る道を下る
ここでの落車を避けるのは大前提だが、パンクなども出来ればおこってほしくない
祈りつつ石をよけて進んでいく
UGさんはなぜかスイスイと行ってしまった笑
オールロードの300kmを完走しているだけあってさすがの対応力だ笑
UGさんには申し訳ないが、ここは自分のペースで安全に下っていく
途中でUGさんに
「両足をビンディングから外してサドルに座って、足で地面を蹴りつつバランスをとる」
というコツを教えてもらいなんとか下り切ることが出来た笑
今後はロードバイクで行ける悪路のハードルがガバガバになりそうだw
気を取り直して、先を急ぐ
一級山岳を超えたので気持ちは舞い上がっていた
いけるぞ!勝てるかもしれない!
気持ちは逸る
そして、道は再び登り始める
が…足が重い…!
山岳を細かく分ける攻撃がここまでキツイとは
蘓武岳!
さっきの10kmの登りが
これをねらっていたのなら、予想以上の効果を上げたぞ!
UGさんはまだいけるようだ
自分は斜度がキツイのに加えて、
足を含めた全身の疲労が来ている気がする
でも、登る以外の選択肢無し!!
斜度が緩むまで我慢するしかない!
我慢や!!我慢や!小西智!!
(なぜフルネーム叫んでる?笑)
しかし、蘓武岳は斜度を緩めてくれない…
四苦八苦していたところでUGさんから恐ろしい提案が…
「あと3kmなので、
コットンキャンディえいえいおー
三回かけたら終わりますよ!」
すごく魅力的な提案?だ…
申し訳ないが、断らせてもらった…
今の自分の足がなさ過ぎて、
自分の足がコットンキャンディになりかねない笑
そんなこんなでなんとか
三級山岳もクリアw
あとは下るだけだ!!
と思っていた矢先、
ルートを改めて確認するとまだ登りの区間がある…
だと…
UGさんいわく四級山岳も連なる山だったらしい…
これにはさすがに二人で意気消沈してしまった
ただこんなところで立ち止まったところでどうにもならない
まだこんなところでは救急車すらこれやしない…
この状況でのプラス要素は景色しかない…!
気持ちいいところなんだ!景色を見よう!
と思ったら、路面の落石が増えてきた…
動きが読まれているのかと思うほど、いやらしい山だ
こうなれば最終手段は気持ちを無にするしかない
黙々と坂を登る…
途中で補給をとりつつ、登りようやく
通過チェックに到着!!
ついに日本海が見えた!!
時間は15時半!
予定よりは遅れたが、まだ耐えている
うれしいというよりはホッとした気持ちが強い
後は今度こそ下るだけだと休憩していたら、
まさかの他のランドヌールが現れた!!
しかも、その方は3時半出走らしい…
これにはさすがに驚いた…
確かに自分たちのペースは蘓武岳でぶち壊されたが、それでもここまでのコースを1時間も速く走れる人がいるとは…
世界には…
いや、日本にはまだまだ強い人はたくさんいるらしい
比較するものではないが、ショックを受けつつ坂を下る
下りとは言え、落石やグレーチングの隙間のオンパレードで一瞬の油断も許されない
そのうえ、マップには出にくい細かい登り返しが足を削りに来る
まだまだ、笑えない状況が続く
~30分後~
集中力が切れてきた…
顔に熱を感じる…
眠気が来ているのかもしれない
ブラックガムを口に放り込んで、口を開けて深呼吸をして眠気をぶっ飛ばす
なんとかこらえるしかない…
プシューーーーーー
ああ…なんで今なんだ…
なんで、こんなに辛い時に追い打ちかけてくるんだ…
UGさんには申し訳ないが、呼び止めて止まってもらう
UGさんは快く対応してくれた
本当にありがたい
見限られて
先に行かれたとしても
文句はないのに…
優しさが身に染みる
一刻も早く治すため、
すぐにパンクの原因を探す
予備のタイヤはないので、
サイドカットならDNFするしかない
チューブの穴は見つかったが、タイヤに異変はない
よかったと胸をなでおろした次の瞬間
ブブブブブブブ
嫌な羽音がする
振り向くと
オオスズメバチ…?笑
UGさんと共にとりあえず修理途中のホイールを持って逃げるww
「泣きっ面に蜂」とはこのことか
昔の人はすごいなあw
まだ上の方を飛んでいる…
おそらく直して離脱するのが一番安全だと考え、集中して修理すると5分もかからないうちに修理できた!
完全に直せたか不安は残るが、とりあえずホイールを装着してあの場から離脱した
その後はUGさんが後からくる形で隊列を交代
しかし、自分は気が動転して、下りのラインの判断がうまくできない笑
おちつけ!落ち着いてくれ!と思えば思うほどに変な汗が出てくる
このままでは後ろのUGさんが危険だと考えたので再び順番を交代w
後ろについていると落ち着いてきた…
もう200km以上も走ってきたおかげか後ろにつく分には全く問題なく走れる
UGさんには申し訳ないが、本当にありがたい
落ち着いたところでパンクの件のお礼と謝罪をすると、
「パンクは運なので気にすることないですよ!」
と言ってくれた。
優しすぎて救われる笑
そうして、いるうちにルートは海岸線へ
蘓武岳を攻略できたことが素直にうれしい!
安心したせいか、お腹も空いてきた
UGさんも同じ気持ちだったようで、コンビニを見つけたら入ることに
早く出てこないかな〜
ハァハァ…ゼエゼエ…
あれから20kmほどでやっとコンビニに到着
この20kmもしっかりとアップダウンがあり、油断していたせいか、かなりきつかった笑
あと補給の柿ピーをぶちまけてテンポを悪くしてしまった
本当に足を引っ張りまくって申し訳ない…
気を取り直して補給をしつつ、状況を整理する
ここから小浜市までの180kmは
このブルベを完走できるかを分ける区間だ
というのも、ここからはアップダウンはあっても相対的に楽な区間なので、しっかりと走ればマージンを作ることが出来る
そして、そのマージンは仮眠や不測の事態への対応の時間として使うことができる!!
できれば作ったマージンはプラスの動きで使いたいが、トラブルなどの場合は仕方ない…
とりあえずここからは40km先のPCを目指す!
さすがにUGさんの疲れも心配なので、いつでもローテを回してほしいと伝えておく
自分の力は小さいが、少しでも時間をかせぐことが出来ればUGさんの体が回復できるはずだ
UGさんは実質悟空だ笑
気合を入れたが、少しこぐと雰囲気が良くなってきた!
城崎温泉だ!!
うおおお…お風呂に入って泊まって寝たい!!笑
しかし、現実は非情だ…
頭の中でメロディが流れる…
もっと違う設定で(距離)
もっと違う関係で(ブルベでなくツーリングで)
出会える世界線選べたらよかった~
いたって純な心で走った距離喜んで~
労をねぎらえたらいいな!
そう願っても無駄だ~から
グッバイ!!
(城崎温泉)
さようなら…
今度は旅行で来るよ…
外湯めぐりするよ…
徐々に暗くなる道をひた走る
UGさんから交代のサインが出る!
UGさんの様子を見つつ、平地を30km/h前後で漕いでいく
今はこれくらいのペースが長く走るにはギリギリいっぱいだ
道が登りになると、インナーローでゆっくり登る
少しギアを上げて登ることも出来るが、同じように頑張るなら平地や下りで頑張る方がお得だ
ギアはインナーローでも気持ちはアウタートップ笑
淡々と漕いでいく
しかし、走れば走るほどにUGさんの様子は悪くなっていく一方だ…
ペースを25km/hに落としつつ様子をみるが、かなりきつそうな様子だ
ここまで散々引いてくれたツケが来てしまったのか…
だとしたら申し訳ない…
20kmほどこいで少し市街地が出てきたので、UGさんの様子を伺う
どうやら、眠気が来て幻覚が見えていたらしい
さすがにこのまま走るのはやばすぎるので、ご飯か仮眠かどちらかとることを提案する
すると、UGさんから「両方とりたい…」という返事が笑
間違いない…
多少マージンを削っても自然に休めるタイミングで休むのが効率がいい気がする
PC2が閉じるまではまだ2時間以上ある
ここで1時間ほど休んでも間に合うはずだ
そうと決まれば、慌てて店を探す
運よく少しそれれば、ラーメン屋があった!
すぐに到着!!
したものの中から店の人が出てきて絶望の一言が…
「今日はスープが無くなったので終わりなんですよ~
すいません」
こういうこともツーリングならよくある…
なんで今なんだ…
必死に代替案を考えていたが、1分もしないうちにUGさんから思いがけない提案が…
「進もう…
時速15km/hでも進めば
ゴールできるはずだ」
一瞬、意外すぎる答えに驚いたが、理にかなっている
「飢えなきゃ」勝てない…
気高く飢えなくては…
案としては完璧だが、
問題はできるかどうかだが…
UGさんはどうやら眠気もどこかなくなってきたらしい
自分も今は眠気もないので行ける
ということで方針は決まった…!
不意にねむくなって後ろからツッコむとまずいということでUGさんと先頭交代
心配ではあるが、今は信じてついていくしかない!
再び走り始めたUGさんはさっきまでの様子が嘘のように軽快に走っている!
UGさんの身に何が起こったのか分からないが、無我の境地に到達したのかもしれない…
気づけばPC2に到着していた
とりあえずここからはコンビニがないので、晩御飯をしっかり食べておく
体が油物を受け付けなくなっていたので、親子丼で補給
食べつつ、作戦を練る
現在時刻は19時30分、出発から17時間
残り時間は23時間
残り距離は315km
時間いっぱい使うなら
グロス平均時速13.7km/h
ただ仮眠を分割して1時間とるなら22時間なので
グロス平均時速14.3km/h
しかし、このペースで行けるかは登りが絡むので分からない
獲得標高は現在5381m
片山さんいわくこのコースの獲得標高は実測値で10300mほどだったらしいので、
残りの獲得標高は5000m弱
この時点ではまだ安心できる感じではないが、
ここから小浜市までの135kmで完走できるかの判断はつくはずだ…
未来はまだ自分の足で変えられる!
さあ、先を急ごう
BRM921近畿600km神戸
Granfondo.Stage.4 兵庫山脈縦走 実走後編に続く…
次回予告
やめて!
日本海の特殊能力で気温を下げられたら、
闇のブルベを走っている
さとるの眠気まで燃え尽きちゃう!
お願い、仮眠を諦めないでさとる!
あんたが今ここで仮眠できなかったら、
UGさんと走ってきた道はどうなっちゃうの?
仮眠の時間はまだ残ってる。
ここで寝れれば、完走できるんだから!!
次回
「さとるDNF」
デュエルスタンバイ!
ここまで読んでいただきありがとうございました!!
めちゃ長くなってしまって申し訳ないですが、
次回で終わりますので良ければよろしくお願いします!